(4)攻撃性に関する問題行動へのしつけ
攻撃性に関する問題行動への質問を良く受けます。
飼い主の手に負えなくなって捨てられることのないよう、きちんとしたしつけ方法をお教えすることが一番大切だと思っています。
攻撃性への予防としつけ
次の「7ステップ」を使う事ができます。

ステップ1:常に勝者になる事!犬に命令をする場合、犬はそれに必ず従わなければいけません。例えば、“お座り”という命令をした場合、犬に必ずお座りさせなければいけません。それをする時間が無い場合や、お座りさせる方法を知らない場合、お座りさせる気力も無いほど疲れている場合、“お座り”という号令をしてはいけません。号令を与えて、犬がそれに従わない場合、犬の問題行動はもっともっと悪くなります。そしてあなたの言う事を聞かなくなり、パックリーダーになってしまいます。そうして、攻撃的な犬になってしまいます。

ステップ2:全ての攻撃的な行動を見逃さない!犬は、集団で生きる生き物です。リーダーになる可能性がある状況をすぐに逆手にとってしまいます。ですから、どんなに小さな攻撃性も見逃してはいけません。子犬にとって、甘咬みはごく普通の自然な行動です。これも訂正しましょう。
もしもあなたの犬がカーペットの上にオシッコをしたら叱りますよね。それと同じです。子犬は、皮膚に歯を立ててはいけない、唸ってはいけないという事を学ばなければいけません。

ステップ3:適切に叱って、適切に誉める事!不適切に誉めると、攻撃性を増すことになります。例えば、知らない人が近寄った時に、あなたの犬が唸ったとします。犬を落ち着かせようと、あなたは犬を抱き寄せて撫でます。これは、犬の攻撃的な態度を誉めた事になります。あなたの誤解によって、本来犬に伝えようとした事の全く逆の事を犬に教えてしまったのです。
では、適切な対処は?犬が唸った時、“駄目!”ときつく言います。それでもまだ唸っているようなら、もう1度“駄目!”ともっと強く言って、リードを引っ張ります。犬が、びっくりしてあなたの方を向いて、尻尾を振ったなら、あなたの伝えたい事を理解できたということです。その後、同じようなシチュエーションがある時、犬が同じ行動をとらないかを注意深く観察し、もしとるようなら同じ方法で直していく必要があります。さらに、知らない人に対して、唸ったりしないでいれば、“Good Dog!(いい子だね!)”と誉めてやります。適切な誉め方は、適切な叱り方と同様に重要です。多くの飼い主さんは、叱る事に夢中で誉める事を忘れがちです。

ステップ4:誉めたり叱ったりする場合、声を使います。叱る場合、きつい低い口調で叱り、かん高い声で叫んだり騒いだりしないこと。どんな状況においても犬を叩いてはいけません。叩く事による罰は効果的ではなく、犬に指を噛まれることはあっても噛む事をやめさせる事にはならない場合が殆どです。叩く代わりに、母犬が2、3度子犬の首をくわえて横に振るように、首輪を持って横に振ります。

ステップ5:多くの飼い主さんは、早すぎる時期に犬に自由を与えるという失敗をします。犬が人間ではなく、人間のような考えをしないということを忘れて、ケージの中や、サクの中に入っているとかわいそうだと思うことが原因です。ケージは、犬にとっての砦であり、安全な場所です。多すぎる自由は、犬を甘やかすことになります。犬がオシッコを覚える前に、家具を噛んではいけないと覚える前に、自由に家の中を走りまわせると、わがままな犬ができることになります。自由は、徐々に与えるようにします。

ステップ6:長い“伏せ”、“待て”という訓練を使う。基礎的な訓練(お座り、伏せ、来い、つけ)によって、犬は、飼い主が望む事に従わなければいけないということを学びます。伏せをさせたあと、待てと言う号令をかける訓練は、あなたが決めた一定の時間、犬は伏せをしなければいけません。時計を確認して、5分間なら5分間伏せをさせます。犬が動くたびに、“駄目!”と言って、伏せをしていた場所(必ず同じ場所)に戻します。この際、犬に負けて5分間を4分間にしたりしてはいけません。伏せをしている間、部屋を離れたりしてはいけません。

ステップ7:犬が攻撃的な場合、激しい遊びは噛み癖を助長することになります。
ロープを引っ張ったりする遊びをしてはいけません。

攻撃的な犬のしつけ

遊び噛み:

子犬がかなり小さい場合や若齢の場合、首輪を持って“駄目”と叱ります。前記のしつけを行っても遊び噛みをやめない場合、犬がむせるように、指(2~3本)を犬の口の出来るだけ奥に入れ、舌の付け根を押さえる。犬が噛み続けるようであれば遊びをやめる。犬が甘噛みするたびに毎回これを行う。

噛み犬:

噛み犬の訓練は、プロの訓練士の助けが必要になるでしょう。まず、これ以上犬に噛まれないようにします。人の肌を噛むことを覚えた犬は、しつけがもっと難しくなります。噛み犬のしつけでは、タイミングが重要になります。全く噛まないようにすることは困難な場合が殆どで、噛まなくする事が出来たとしても何年もかかることが多いです。

プロの訓練士の助けを得る利点は、犬を躾なおす事が出来るかどうかという客観的な意見を聞けるという点もあります。犬歯を抜いたり、切ったり、去勢手術は、噛み癖を直す手段にはなりません。噛むようになってから3、4ヵ月以上立ってから去勢しても全く効力はありません。犬が若齢で、攻撃的になってから間も無い場合だけ、去勢が効果的な場合があります。

犬には、リードをいつもつけておきます。犬に対して強い立場をとりながらも、誉めることも忘れてはいけません。
例えば、餌をやるときに唸る犬なら、餌入れに近づきます。犬が唸ったら、すかさず首輪と首輪の周りの肉をしっかりと掴んで一回だけ『NO(いけない)!』と低い声で言い、そのまま持ったままにします。
この時、自分も体勢をくずさす、犬が抵抗しても岩のように動かないということです。
犬がもがくことによって自分が動いてしまっては犬の心理として『力で負けてないぞ!』というふうになります。
同じようにせっかく犬を掴んでいても犬を一定の位置から動かないようにできないなら飼い主の負けということになります。飼い主も犬も一定の位置から動かないようにして犬を押さえつけてください。犬をしっかりと持つことを『保定』といいます。噛まれるのが怖くてしっかりと押さえ込むことができない、保定の仕方がわからない、という方!動物病院で『保定』の仕方を教えてもらうといいでしょう。獣医師または動物看護士は保定の仕方を心得ているはずです。ただ、なかには噛む犬は飼い主さんに保定してもらう病院もあるので事前に『噛む犬を保定できるかどうか確認してから教えてもらうといいでしょう』

ここで皆さんが失敗しがちなのは、早くに放し過ぎるということです。
ちょっと犬が服従の態度を見せたからといって10秒ほどで放してしまう人が殆どです。これでは犬の思うつぼです。
犬は飼い主に油断させて、服従したかのように見せて、30秒もすれば再度抵抗を試みる子が多いのです。
ですから、短くとも1分は様子をみて持ったままにします。この間、話しかけないこと。1分間まったく抵抗の様子を見せないようなら放します。抵抗を試みるようなら1分間は必ず抵抗しないことを確認できるまで5分でも10分でも抑えたままにします。
気の強い子ほど時間がかります。

縫うほどの怪我を負わせるような攻撃的な犬には自分を保護する為に、必要なら、四肢が床から離れるようにします。
これによって、犬が死ぬ事はありません。“吊り下げ”によって、犬はそのうちおとなしくなります。この方法は、最後の手段として使います。小さな犬や、子犬に用いてはいけません。
このあと、ケージに入れて、冷却期間を置きます。攻撃的な犬をつなぎっぱなしにしてはいけません。
継続的にロープによって引っ張られる事によりフラストレーションが溜まり、攻撃的な犬になります。人との接触を無くすことも攻撃性を増長させる原因になります。

しつけを行う上でもっとも大切なことは、継続です。
 
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